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​【アルバムレビュー】

朝のティータイムに丁度いいじゃないか。

Hey Satan「Hey Satan」

2019.4.25 櫻井螺子

 

Hey Satanはスイスのローザンヌ出身のストーナーロックバンドだ。

バンド編成はベースレスでツインギターの3人編成。あんまり馴染みのある編成ではないけど個人的にはギター、ベース、ドラムの編成よりも彼らのようなギター、ギター、ドラムの3ピースが好きだ。ベースがいないことによって音の切れ味が増すような気がする。

 

 

 

ベースがいないから音が軽いんじゃないかと思う人もいるとは思うが、少なくともこのバンドに関してはその心配はない。曲を聴いたら一発でわかるはずだ。

でも曲を聴く前に今回紹介するHey Satanの記念すべきファーストアルバムのジャケットを見てみよう。

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裸体の女性、陰謀論を彷彿とさせる三角形、そしてサイケデリックなフォントのバンド名。

このロックミュージックの思わず大人に内緒にしたくなる要素が積み込まれたアートワークはこのバンドのギターが歪んでいることを表している。そして橙色。カラッカラでじっとりとした熱を感じる橙色がこれから始まる世界観が幻想で満ちた甘美なものだということを表現しているのだ。

 

HEY SATAN - Fallon City Messiah

 

ヘヴィだ!

そしてブルージーだ!

あのジャケットでこの音楽なら何も言うことはないのではないかと思うがどうだろうか。

 

このアルバム、基本的に全曲こんな感じだ。ドラムのビートやらギターの音色やらをダイナミックにたたきつけてくる。

早くないゆったりとしたテンポに乗せられながら聴くリフや煙っぽくて重たいバッキングはとても心地が良い。

 

さらに男っぽいしゃがれ声もセクシーだ。

特にM9「Black Flags Down」がいい。アルバムのトリ前の曲だが、最後の曲はインスト曲なのでボーカルがある曲はこれが最後である。そして作中最も攻撃的な曲である。

シャウトに近い歌声でドラムとともに突っ走る様はまるで焦燥感に駆られているようだ。

例えるなら走れメロスだね。

 

このバラードなしで突き進む36分の世界は休む暇もなく重厚なグルーブとダイナミックなファズサウンドを畳みかけてくる。それどころか疲れる暇すらない。

それは怖がる必要もない。むしろボリュームをちょっとずつ上げたくなってくるだろう。朝のティータイムに丁度いいじゃないか。

 

彼らのような音楽はいつだって大音量で聴きたくなるのだ。

 

HEY SATAN - In Cold Blood

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田中千秋楽​

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