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​【アルバムレビュー】

あるのは楽しむという気持ち。

Fu Manchu 「King Of The Road」

2019.1.28 櫻井螺子

2018年が終わった。

それ自体は大変めでたいことである。しかし、正月の間にひどくだらけてしまった人も多いだろう。私もその1人で正月明けは体調を崩してしまった。

 

元の生活に戻るのは少々大変である。

 

そんな時は基本的なことから始めてみよう。例えば夜早く寝てみるとか、軽く運動してみるとか、そう。Fu Manchuが2000年に世に送り出した「King Of The Road」を聞いてみるとかね。

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引用元: wikipedia

 

Fu Manchuはストーナーロックを代表するバンドの1つである。彼らが90年代に世に送り出したアルバムもまたストーナーロックを代表する名盤である。

 

特に「In Search Of...」(1996)「The Action Is Go」(1997)「King Of The Road」は名前を目にする機会が多い。

 

このバンドの音楽を語る際によく出てくる爆走ロックンロールって言葉はこの辺りの作品のイメージが強いのではないかと思っている。

 

 

今回紹介する「King Of The Road」をひとことで言い表すならば金太郎飴である。

私がこのアルバムを初めて聴いたときはそんな感想を抱いた。今聴いても同じような感想を抱く。

 

煙っぽいモクモクとした雰囲気が作品全体を包んでいてどこを切っても煙、煙、煙。ストーナーロックらしいジャムセッション的な展開はほとんどない。

そのため、Scott Hillの脱力感のあるヴォーカルがよく現れる。これがこのアルバムを金太郎飴たらしめている要因の1つだ。

 

もちろんこれは悪口でもなければ「King Of The Road」が平坦でつまらないアルバムであるということでもない。曲順も緩急の流れが付いているし、縦ノリの曲もあれば横ノリの曲もある。もちろんギターソロだってある。

 

 

M1「Hell On Wheels」はM4「King Of The Road」と並んでFu Manchuを代表する曲だ。ライブのセットリストをみると両者ともほぼ必ず演奏している。

 

私はこの曲で彼らを知ったがイントロで一発ノックアウトだったのを今でも覚えている。いつ聴いてもゾクゾクするリフだ。小難しいこと一切なしの爆走ロックンロール。シンプルで簡単で破壊力のあるまさに名刺代わりの1曲である。

 

Fu Manchu - Hell on Wheels

 

速い曲ばかりではない。M10「Hotdoggin'」のようにゆったりとして遅い曲もいくつかある。

先ほど紹介した曲と比べるとかなりスピードに差がある。

 

Fu Manchu - Hotdoggin' 

 

それでもこのアルバムが金太郎飴に感じるのは収録曲に一貫性があるからだろう。

M11「Freedom Of Choice」はカバー曲であるのにそれすらも他の曲の延長線上にあるものだと思わせてしまうほどだ。

 

上手い言葉が見つからないが特徴がないのが特徴である。

 

しかし、彼らがブリッブリのファズギターを操り、ハードな疾走感を持つストーナーロックバンドだということを忘れてはならない。極端な曲こそないが、最もFu Manchuをナチュラルに体験できるのがこの「King Of The Road」である!!

 

 

そして何よりもこのアルバム、ネガティブな感情を微塵にも感じさせないのである。

攻撃的な曲も悪者みたいなリフもない。あるのは楽しむという気持ち。それだけなのだ。

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