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【特集】

The Atomic Bitchwaxから学ぶ、レジェンドとは?

2018.11.27 田中千秋楽

おはようございます。千秋楽です。

『レジェンド』


直訳すると伝説。そのジャンルにおいて偉大な功績を残したバンドに称される栄誉ある称号。音楽では、ロックやパンクに限らず様々なジャンルのバンドにこの称号が用いられている。


The Beatles
Sex Pistols
Robert Johnson
Jimi Hendrix
Bob Marley
Nirvana
Metallica

現在活動しているか否かに問わず。上記のバンド、及び人物はレジェンドと呼ばれている。少なくとも僕はそう呼んでいいと思っている。


さて、このウェブマガジンで取り扱っているジャンル「ストーナーロック」にもレジェンドと呼ばれるバンドがいる。ここの読者ならみんな知ってて大好きだとは思うけど、このジャンルの始祖とも言えるバンド、Black Sabbathがそれにあたると思う。しかし、今回僕がレビューするバンドも、そのレジェンドの中に堂々と名を連ねても良いのではないか?

引用元: ALL MUSIC

The Atomic Bitchwax

アメリカ・ニュージャージー出身。調べたところ1993年から活動を開始している歴の長いバンド。ホームページは現在存在していない(閉鎖中?)が、最新のアルバムは2017年に発表されていて、今も現役でバリバリ活動中の3ピースバンド。


「一通り触りだけでも聴くといいかも!」と、このウェブマガジンを運営してるレーベルのShohey氏に言われ、聴ける範囲で一通り聴いて、その上で最新のアルバムがどんな作品なのかをレビューしようと思いました…が!



無理ぃ!!!!


アルバム一枚一枚で新しい要素取り入れてるし、それでいてそれぞれがちゃんと格好良く「ストーナーロック」然としていて、そもそも触りだけ聴くのが困難だった。一曲も聴き逃せねえ!


なので今回は、このバンドが如何にレジェンダリーかを、格好良さに脳をヤられ消失しつつある僕の語彙力で出来る限り説明する事にしました。とりあえずアルバムは全部格好いいし、一枚一枚レビューしてったらどれも「良いよ!オススメ!」という頭の悪い結論になるのですが、それだけではライターとしてどうかと思うので、もういっそのことバンド全体でどこが格好いいかを記事にしたいと思います。




・先人へのリスペクトがすごい。

アルバム 「The Atomic Bitchwax 3」 より"The Destroye"

ベースの方、間違いなくギーザーバトラー(※Black Sabbathのベーシスト)大好きだろ。



曲のリフ展開やギターのファズサウンドもさる事ながら、特筆すべきはベース。上の曲の最後の方、ギターソロの後ろでゲコゲコした音出してるんだけど、これ完全にギーザーバトラーの影響で間違いないと思う。ていうか、曲中でこんなにエグくオートワウかけてくるバンド久々に聴いた。

アルバム 「The Atomic Bitchwax Ⅰ」 より"Gettin' Old"

それ以前の作品ではもっとBlack Sabbathをリスペクトした重たくドゥーミーな曲もあり、要所要所で先人へのリスペクトを垣間見ることが出来た。そしてその上で、自分たちの色をどう出すか?みたいなところで格好良さが活きてる。
 

 

 


・良い意味で節操がない

アルバム 「The Atomic Bitchwax 3」 より"Half As Much"

 

途中の展開、完っっっっっっ全にモチーフThe BeatlesのA Day In The Lifeだろ。もしくはSonic YouthのSilver Rocketだろ。


これまで、ラテンリズムやノイズは取り入れてるバンドを聴いたことはあったけど、こう来たかー!って感じ。これライブでどう再現してるんだろう?やっぱりサーストンムーアみたいに演奏を放棄してるんですかね?


こういった実験的な手法も抵抗なく取り入れていると思ったら

 「Boxriff」 より"STD"

 

こういう事もやる。


いや、この人たち3人ともメチャメチャテクニックあるんですよ。複雑なリフをガンガン曲にするし、ドラムも変なところに32分音符入れたリズムパターンを平気で入れてくるし、元々の音楽IQは非常に高いんだけど、こういう一歩間違えたら「あんまり上手くないバンド」と思われる曲を突然アルバムに収録してくる。


演奏家って、ある程度までいくと上手く弾くことより下手に弾くことの方が難しくなるし、それだけ「下手であること」のニュアンスって難しいんですけど、この3人はちゃんと下手な演奏してる。わざと。こんなに上手い『上手くない演奏』初めて聴いたかも知れない。そしてその上手くない演奏がこの曲にとって一番格好いい事もちゃんと分かっている。




・でもしっかりとストーナーロックをやってる

アルバム 「Force Field」 より"Liv A Little"

 

ここに来てようやく最新アルバムの曲を載せるんですけど、ちゃんとストーナーロックに回帰している。

いや、回帰という表現は少し違うか。実験的な曲やあからさまに聴こえるパロディに近いリスペクトも、全ては自身のバンドの音楽的昇華に用いているに過ぎなくて、そしてその音楽の根底にあるのがこういったファズサウンドでのストーナーロックなんだろう。


こうして記事を書いていて思うけど、上の曲を最初に、全くこのバンドの予備知識なしに聴いたらただの王道ストーナーロックという感想で終わっていたかも知れない。けど、こうして過去のアルバムや曲を聴いて、それを踏まえた上で改めて聴くと分かる重み。深み。経てからの、ココ!それがこの最新アルバムの最後の曲である上の動画の曲を聴くとしみじみ感じられる。


レジェンドとは、長く続けた分の重みと、経て来た道のりと、その中で培った音楽の叡智。それらを決して引けらかさず、時に愚直でも自身の根底にある衝動に正直に格好良く表現出来ている事だろう。それを、このThe Atomic Bitchwaxを通して改めて考えさせられました。本当に、どのアルバム聴いてもオススメだし、多分一枚聴いてハマらなくても別のアルバムがハマると思う。一枚だけじゃこのバンドを説明出来ないし評価も出来ないから、この記事をきっかけに色々聴いてもらえると嬉しい限りです!

 

普段何食ってたらこんな曲出来るんだよ…!



ではまた

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田中千秋楽​

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