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​【アルバムレビュー】

360°どこを見てもストーナーロックだ。

Sea of Green「Northern Lights」(2000)

2018.11.2 櫻井螺子

ある日のこと、とあるニュースが目に入った。

 

 

どうやらカナダは先進国としては初めてである嗜好品としての大麻の所持・使用を合法化したとのことだ。なるほど。

つまりカナダはこれからストーナーロックの名産地になるわけだ。こりゃあめでたい。

 

 

とするとカナダの素晴らしいストーナーロックを全世界にアピールするチャンスということだ。えーと、カナダのバンドは…………。

 

 

 

片手で収まるくらいしか知らなかった。

 

 

 

カナダのこと、びっくりするくらい何も知らなかった。ムムムム……。

 

 

まあカナダのことは後で調べるとして、まずはカナダのバンドで真っ先に思いついたバンドを紹介しよう。

引用元: HEAVY PLANET

 

彼らはトロントの三人組ストーナーロックバンド、Sea of Green。

1999~2004年まで活動しており、それまでに3枚の作品を世に出している。

バンド名でいろいろと察してしまうので調べてみたのだが、Sea of Greenとはどうやら大麻の栽培方法の一種らしい。

 

 

今回紹介するのはそんなど直球な彼らのミニアルバムである「Northern Lights」だ。

引用元: ALONE RECORDS HP

 

反復されるリフ主体の曲群、それらをがっしりと支える低音。意外にもグチャグチャドロドロとしたトリップ感はなく、キャッチーで爽やかなサウンドである。が、誰が聴いてもストーナーロックだ。かなり分かりやすい。

 

地に足がついたようなリフで始まるM1「Move the Mountains」なんかが正にそうだ。

 

頼れるドラムや途切れぬベース、それに奥行を感じさせるサイケな音色のギターによる演奏は複雑ではないが、シンプルになり過ぎているわけでもない。だが、スリーピースらしいシンプルさは感じる。これがとってもいい塩梅なのだ。

 

分かりやすいのは曲だけじゃない。

 

「Northern Lights」というタイトル。

それにあのジャケット。

 

Northern Lightsってのはオーロラって意味なんだけどそんなの知らなくてもジャケット見たらなんとなくわかっちゃうよね。

 

曲名なんかも「Look to the Sky」とか「If You Want My Soul」とか簡単で英語があんまりわかんなくても雰囲気が掴めちゃうのもいい。普段から翻訳サイトに頼ってる身としてはホントにありがたい。

 

 

 

個人的にこのアルバム聴いてて面白いと思ったのがボーカルだ。

 

全体的に浮遊感があってふわふわしているのだ。楽器の方も、というか作品全体がまどろんでいるようなもやが掛かったような印象を受けるが、ボーカルはさらに一段上に行っている。

リバーブっていうのかな。空間が広がっていく感じ。

 

でもシューゲイザーとはちょっと違う。

 

ボーカル自体には質量を感じるので例えるなら町内放送かな。

17時とかにどこからともなく聞こえてくる「みなさんお家に帰ってください」みたいなやつ。あれに近いね。

 

アルバムのトリを飾るM6「In the Sun」なんかはボーカルのエフェクトが強いのに演奏も力強くて現実と空想の狭間にいるような感覚になってくる。寝起きみたいな状態だ。もしかしたら精神力を試されているのかもしれない。

 

 

 

あと面白いと思ったのがM4「Time & Space」だ。がっしりとした重さを感じるサイケデリックなハードロックだがボーカルが凄くFu Manchuっぽいのだ。あの語尾がだらーんと伸びる感じ。Fu Manchu好きとしては是非とも赤丸で囲っておきたい名曲だ。

 

 

 

ストーナー系のバンドを探しているとどうしてもドゥーム、スラッジ系のバンドやらヴィンテージハードロックなんかが混ざってしまってなんか違うなーって思うことが多々ある。

しかしこの作品に関してはバンド名やジャケット等、音楽を聴く前から360°どこを見てもストーナーロックだ。素敵!

 

 

様々な音楽性が絡み合うこのご時世、ジャンル分けなんかくだらねえぜってのも分かるが、やっぱり1発でサウンドが想像できるのは安心できる。手に取りやすいし、身体に回ってくのも早い。

 

 

全6曲26分。ちょっとした空き時間にSea of GreenのNorthern Lights。

これで手軽にキメていこうぜ!

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