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​【はじめてのストーナー】 ストーナーとは

2017.4.17 田中千秋楽

簡単に結論づけるのなら、「90年代に起きたオルタナティブムーブメントの中で発生した、クラシックロックの突然変異」ではないか。

おはようございます。この度LITTLE REX QUEEN RECORDS(以下LRQ)でライターをしています田中千秋楽です。
音楽は偏見無く沢山聴いております。少しの時間、僕によるストーナーロックについての解釈を説明させてください!


初めに、僕はストーナーロックというジャンルについて、知っていることは名前とそこに属するバンドをひとつかふたつ。それだけで正確にどういう音楽ジャンルなのか分かりませんでした。

なのでまず、知っている人に聞いてみよう!ということで、LRQの代表Shoheyに訊ねてみました。氏曰く

「リフの伝統をミシシッピーブルースから受け継いだ、70年代のヘヴィメタル前夜のバンドと、80年代の肥大化した音楽シーンを切り裂いたハードコアパンクバンド。この2つの融合」

だそうで、僕はまずルーツとなるこの2つのジャンルを掘り下げました。後々気づいたんですが、結構遠回りでした。褒めてください。

まずは70年代、Led ZeppelinやDeep Purpleらが歪んだ音のギターリフでそれまでのロック史を変えた大きなムーブメント。今でもテレビCMではこの年代のギターリフが使われてる事が多いのが、このジャンルの凄いところですね。歌メロよりも印象的なんじゃないかってくらい。

Led Zeppelin - Black Dog Live

 

Deep Purple - Burn Live 1974

 

そしてもうひとつ、その歴史に風穴を開けんと70年代後半にMisfitsやBlack Flagらの出現で発生したハードコアパンクムーブメント。ギターリフなんてクソ喰らえと言わんばかりの、過激でヒリついた音楽。分からない人が聴いたら雑音。魅力にハマれば至高の芸術。

で、それらを経て、80年代では音響設備の進化や、新しいサウンドアプローチによってさらなる音楽が発展していくんですが、その中でこの話のキーとなる、型に囚われないという意味の「オルタナティブロック」が誕生し、その意味通り大きく進化を遂げロックの歴史に爪痕を残していく。

代表的なのは2つ。

ひとつは80年代半ば、MetallicaやAnthraxらによる、歪んだギターリフにハードコアの疾走感を加えた「スラッシュメタル」で、ギターキッズはこのジャンルを通り、1度は「最高のギターソロを弾く!」とカブれてく。これ自然の摂理!ってくらい、格好いいジャンル。

 

Metallica - Enter Sandman Live 1991

 

Anthrax - Got The Time Live 1991

 

ふたつめは90年代のシアトルで、Nirvanaを筆頭にした、ヘヴィメタルとパンクロックが融合した「グランジ」で、ギターキッズはこのジャンルを通り、1度は「ギターソロなんてだせぇ」とカブれてく。これ自然の摂理!ってくらい、格好いいジャンル。

 

Nirvana - Lithium Live 1992

 

この2つが、90年代初頭までのオルタナティヴロックムーヴメントの中で、商業的にも大成功し、ロック史のメインストリームに上がっているんですが、このグランジ・スラッシュメタルと共に、オルタナティブロックの発展系として、Soundgardenを筆頭に独自の進化を遂げたのが、他ならぬ「ストーナーロック」なのではないかと思う。

この年代の音楽は探るほど面白く、僕も好きなのですが、この文章を書くにあたってちゃんとストーナーロックのバンドを聴き漁ると非常にシブく、世界にはまだまだ知らない音楽があると感動してしまいました…

かくしてようやくストーナーロックに辿り着いた僕ですが、改めてバンドを調べてみると、Soundgardenの他に代表的で、且つ最もルーツに近いバンドはBlack SabbathとBlack Flagだという。

Black Sabbathは70年代、当時のムーブメントだったリフロックの中でも極端にテンポを落としたドラムや、ホラーチックで不気味ながら非常にブルージーなギターで、レジェンドとなっている。まぁ他にもボーカルのオジー・オズボーンはコウモリ食べたりとかで音楽以外でもレジェンダリーなんですが…

 

Black Sabbath - Black Sabbath Live 1970

 

そしてBlack Flagも、70年代後半ハードコアパンクムーヴメントのバンドらの中でも特にサウンドが重たく轟音で、それまでハードコアパンクのサウンドを比較的軽いものと思っていた僕は改めて聴いて度肝抜かれました。彼らが異色な存在なのか、僕が単にパンクの研究不足なのかは今後とも研究してみます。

 

Black Flag - Rise Above

 

その上記2バンドはストーナーの歴史の中で最もルーツに近く、後発のストーナーバンドにも大きく影響を与えているようで、他にも幾つかストーナーロックのバンドを聴いてみたところ、この2つに共通するところが多かった。

それは紛れもなく、冒頭のShoheyの言葉そのままで、70年代ヘヴィメタル前夜のバンドが魅せたリフロックと、ハードコアパンクの融合。その要素を持つバンド達が今もストーナーロックと呼ばれている。

しかしその実、ジャンルの取り入れ方や、サウンドの傾向はグランジと似ていて、しばしば同じ括りとしてバンドが挙げられることが多い。
僕もグランジの話を友達とする際に時折Soundgardenの名前を出す。しかし、どうやらSoundgardenはストーナーロックらしい。音楽って面白いね!

 

Soundgarden - Rusty Cage Live 1992


では、グランジとストーナーの違いとは?

僕なりに研究した結果、その答えは意外と単純で「音楽的ルーツにおいてどのジャンルがどの割合でブレンドされているか」で、グランジとストーナーが分けられる。

(これはバンドやアルバムにも寄るし、聴き手の解釈にもよる。それを語り合うことも音楽好きとしては楽しい事である!)

よく語られる定義としては、ハードコアパンクにポップスを混ぜ、メタルやリフロックをトッピングすればグランジに。
リフロックにメタルを混ぜ、サイケデリックをトッピングすればストーナーロックになる。など。
それこそ聴き手によって解釈が違ってくることもある。是非これを読んでる方の周りに音楽好きがいたら聞いてみて欲しい。

それを踏まえた上で、僕の解釈としては「既存のジャンルを混ぜてそれまで無かった型に囚われない新しいものにする」と言うオルタナティヴロックの概念において

ギターソロすらやらないパンクアティテュードをヘヴィメタルの音像とシャウト、絶妙なポップネスで進化させた音楽がグランジ。

それよりもクラシカルなルーツに基づき、ハードコアパンクをよりサイケでヘヴィなリフロックに深化させた音楽がストーナー。

ではないだろうか。
つまりは単純に、何が言いたいかというと、「格好いい」って事です。

80年代、ハードコアパンクによって、ロック史においてこれ以上新しいものが生まれないのではないかと危惧されていた。
しかし、80年代末期に、それまでのロック史全てを飲み込んだ新世代のオルタナティヴムーヴメントが発生。
結果的に、NirvanaやMetallicaの商業的大成功により、細分化されたジャンルにグランジとスラッシュメタルが代表として挙げられる事が多い。

しかしその陰に、ミシシッピーブルースから受け継いだリフの伝統と、ハードコアパンクの退廃的な破壊衝動を融合させ、新しい概念として吐き出したまさに「クラシックロックの突然変異」と言えるストーナーロックというジャンルがあった事も、ロック史を語る上で避けては通れないのではないか。

勿論、この文章を書いている僕も、まだまだストーナーロックの理解は浅い。ここで語られている内容もフリークにとっては氷山の一角だし、もっと言うとそれはストーナーロックに限った話でもない。
だからこそ、これからも初めて聴く音楽を素晴らしいと思える気持ちを無くさないようにしていきたいと思う。
音楽が好きで、様々なジャンルを偏見なく聴いてきた僕が、ストーナーロックを聴いて感動したように、これを読んでいる皆さんにも、どうかこの感動が共有できますように。

この文章に出てきたバンドをとりあえずひとつ聴いてみて、気に入ったら他のも聴いて、気に入らなかくてもとりあえず他のも聴いてみて、僕の感動に少しでも触れてもらえたらと、心から思います。
とにかく、聴いてみることから始めてみたらいかがでしょうか!

ジャンルの説明としては少し感情的かも知れませんが、これを以て結びの文章とさせていただきます。

ご清聴ありがとうございました。


参考URL
カート名言
http://putt-005.seesaa.net/article/103745517.html

ストーナーって?
http://1977.at.webry.info/200604/article_5.html

ストーナー wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%8A%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AF

グランジ wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B8

ブラック・サバス wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラック・サバス

ブラック・フラッグ wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/ブラック・フラッグ

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田中千秋楽​

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